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きちんとした社葬を行なうことで、社内的には新しい経営陣に対する団結力を高め、取引先には、事業の存続と新経営陣をアピールし、信頼を与えることができます。
葬儀委員長や来賓の選定、焼香順位の決定などは、企業の価値観の表れでもあります。
また、かつては「社葬は大企業が行なうもの」というイメージが浸透していましたが、最近では中小企業の社葬が増えています。
創業者や、オーナー企業の場合は、故人の企業への貢献、業績が大きく、また事業継承の問題も重要となるため、中小企業こそ社葬を執り行なうべきといえるでしょう。
いつか来る社葬を怠りなく進行するにあたり、前準備として社葬の規定を作成しておくことをお薦めいたします。
社葬に携わるであろう役職の方々で共通の認識を持っておくことで、突然の不幸があった際にも、迅速に対応することが可能になるでしょう。大々的に行なうことではないので、内密にしかも細心の注意を払って準備しておくことが大切です。
原則として、「会社に多大な貢献をした人」が対象となることが一般的です。
創業者や会長、社長などが亡くなったときはほとんどのケースが社葬となることはもちろんですが、専務や常務、取締役、監査役などが亡くなった場合も、役員会による検討の上、社葬か否かを決定します。
社葬の日程は、企業と遺族のスケジュールを考慮した上で慎重に検討していきます。
一般的には「友引」を避け、かつ四十九日までを目安に社葬の執行日を設定することが多いです。
(本葬に先駆けて密葬を済ませている場合は、火葬場を使用しないため実務的には友引は影響ないのですが、古くからの慣習や意識的な問題で避けることが多いです)
なお、本葬に先駆けて自宅での密葬に僧侶をお呼びしていた場合は、社葬の際にも同じ導師に依頼するのが一般的でしょう。
連絡先名簿は、以下のように分類して作成しておき、故人の生前の役職や立場を勘案してあらかじめ具体的な連絡先を決めておきます。
①社員・労働組合
②取引先(販売先・仕入先・外注・金融・保険、税理士や弁護士などに分類しておくと良いでしょう)
③株主(他の区分に分類できない主な株主の上位20名ほどで良いでしょう)
④一般(国・県・市の議員など)
以下の項目に沿って打ち合わせしておくとい良いでしょう。
1.社葬実施の確認
2.遺族・親族側の出欠表と人数の確認
3.僧侶をどなたに依頼するか
4.寺院・会場の希望
5.費用の分担について
費用の分担については、詳細に決めておく必要があるので留意点を下記にまとめます。
●葬儀費用の負担の仕方:取締役会での社葬の決定時、葬儀費用の分担区分を明確にしておきます。
●葬儀費用の定義:葬儀社への支払い、寺院・教会へのお礼、通夜その他接待のための飲食費や雑費
のことで、葬儀そのものが終了するまでの経費のことをいいます。
( 初七日や四十九日の法要・埋骨などは、税法上では葬儀費用として認められません)
●葬家と企業の分担について:一般的に、死亡時の病院への支払いと自宅での密葬に要した経費は喪主
側の負担。社葬の関係経費を企業側が負担します。
なお、企業側が全費用を負担するケースもありますが、葬儀費用は、遺産の相続分から控除される対象
となりますので、双方が納得できるよう話し合いで決定するのがよいでしょう。
●合同社葬の場合:2社以上の合同葬の場合、どこか1社が主軸となり、各社の意思疎通を図りながら費用
の分担をまとめていくのが通例です。
費用の分担は、各社均等に分担、営業実績によって負担率の軽重をつける、規模の大きな企業が全費
用を負担し、他社が労力を提供する、などの分担方法があり、これらから合意に達した案を採用します。
僧侶へのお礼(御布施)は、お寺の格や宗派によっても異なりますので、ご依頼の際にお寺に率直に伺うのが良いでしょう。社葬の規模によってはお越し頂く僧侶の人数も変わってきます。
お渡しするタイミングとしては、社葬終了後に僧侶が控室に戻られた際に、お礼の言葉を添えて、御布施と御車代に分けてお渡しするのが一般的です。
社葬の最高責任者としての葬儀委員長を選定し、その直属の部署として社葬事務本部を設置します。社葬事務本部は社葬に関するすべての情報を管理します。
また、不測の事態に対応できるよう、諸々の雑務問題処理係を各係との連絡役として設けておくと良いでしょう。
社葬執行に関わる最終責任者が葬儀委員長です。 重要な役割ですので、一般的には重要な取引先の会長や社長、自社の役員や社長、または副社長などが務めるケースが多いです。
前提として、社葬は対外的に行なう儀式であるため、あまりに私的なことを取り入れることは避けた方が良いでしょう。
※故人が好きだった花を飾る、などでしたら問題はございません。
当日までの社葬連絡係を各部署ごとに区分けしたうえで、先方と面識のある管理職の方などが連絡するのが最適です。
来賓で参列していただくかどうかは、連絡先名簿作成時にあらかじめ決めておきます。
【区分けの一例】
・営業部:販売先
・購買部:仕入先
・経理部:金融関係先
・総務部:親族や故人の私的関係者
取引先の代表者(会社にとって重要な取引先企業の社長など)や、故人の友人代表、社員代表などに弔辞を依頼することが一般的です。人数は3~5名程度が良いでしょう。
また、弔辞を依頼する方には、あらかじめ故人の経歴書や会社案内を渡しておくと良いでしょう。
取引先の中から一社のみに依頼すると問題があるような場合、議員や業界の組合長など公的な立場の方に依頼するケースもあります。
式典の進行にあたり、各場面で専門用語が多く使われるため、葬儀社側に任せることをお薦めいたします。
●後任の決定:役員が亡くなり、定款などで定めている役員数を下回る場合は、臨時株式総会を開催して後任を決める必要があります。
●弔慰金:弔慰金(慰労退職金)を株主総会または、社員総会において決定する必要があります。
●役員交代:取引先や各種組合、業界・関係団体などに対して、文書にて死亡退任と新役員の就任の旨を通知します。